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■ストーリータイトル■

WhiteSnoW~淡く雪のような…~



■ストーリー概要■

書店で買ったアニメ・ゲーム雑誌の友達通信欄に掲載されていた、今時だけど文通してくださいという変わったメッセージ。でもそれは、彼女が病院で入院生活をしているためだった。
雪に閉ざされた地域の病院に住む、小雪という名前の少女。
彼女は白い雪が降りしきる窓の外を見ながら、ゆっくりとやってくる春を待ち、暖かい海に憧れる16歳の少女だった。長い入院生活のせいで高校にも行けず、病院で一人の時間を過ごしているのだという……。だから、ペンフレンドでいいから友達が欲しい。
そんな切実な思いを書いた彼女に興味を引かれたあなたは、ペンを取り、慣れない手紙を書き出す事にした。
このメールが全盛のご時勢に手紙を書くなんて……。
そう思いながらも、この古臭いやりとりがとても新鮮で、メールにはない温かみを感じるやりとりになる気がしていた。

ごく普通の女の子との文通のやりとりを通して味わう、ほのかで淡く切ないラブストーリー。



■プロローグ(公開)■

日本のアチコチで雪が降り、大変な季節。
東京でも久々に大雪が降り、交通機関も麻痺して大変だったとか。
しかし、僕の生活には大して支障はなく、せいぜい外を出歩く時に地面が凍っていないか注意しなければならないとか、ズボンの裾が雪で濡れて嫌な感じとか、そんな程度の影響しかなかった。
交通機関の麻痺って行っても、翌日には解決してしまう。
雪でアニメの放送が中断したとかだと、それはとても大変な事なのだけど……。
なんの問題もない、ごく普通の生活が続くだけだった。
「面白そうなゲームも発売しないし、なんか変わった事はないかなぁ……」
そう思わずこぼしたけど、アニメの新作もまだまだ先の話。冬季商戦に繰り出された大半のゲームはクソゲーの山。面白い事なんか何もない。それでも、何か面白いネタはないかと、僕は雑誌をパラパラとめくっていった。
「ん……」
思わず目を落とした読者通信欄の一角。
そこには、こんな見出しが掲載されていた。
『文通相手を探しています』
「今時、文通かよ……」
そう思ったが、募集していたのが皆川小雪という名前の女の子だったので、僕はマジメに彼女のメッセージに目を通す事にした。

『今時、メールじゃなくて手紙の文通希望なんだけどごめんなさい。
私が今いる場所は病院なので、携帯電話の使用が禁止なんです。だから、面倒で古臭いかもしれないけど、文通して下さい。
雪国の雪に閉じ込められている私に、暖かい手を差し伸べてくださる方はいませんか? お手紙で話し相手になってあげてもいいよという方、お待ちしています。自己紹介をそえてお手紙くださいな。
心から、待ってます。お願いします!
                    皆川小雪』

「よく、こんな長い文を掲載してもらえたな……」
最近ではメールやSNSの流行で、読者通信欄なんか活用する人が減ったせいかもしれない。
実際、使ってる人は少ない。
メル友募集とかはちょっとあるけど、文通なんて言葉がついているのはこの子だけだった。
よく見ると、『全文掲載出来なかった為に編集部抜粋しました。小雪ちゃんの手紙の全文は、雑誌サイトの読者通信コーナーに掲載しておきます』と書かれていた。
よほど手紙が欲しくて、色々と書いたんだろうなぁ。
雪国の病院生活だと、退屈なんだろうな……。
春になって、退院したら会う事も出来るかもしれない……。
かわいい子だったらいいなぁ……。
そんな下心がある事も事実だった。
なによりも、こっちじゃ1日程度の支障ある生活が毎日続く雪国の、しかも病院に閉じ込められているのだという……。
いかにも、退屈な生活なんだろうなぁ……。
そんな思いが頭の中でグルグルと巡っていき、気がつくと僕は彼女の住所をチェックしていた。
手紙を書くのは面倒だけど、メールと違って面白味があるかもしれない……。
「ペンフレンドからの恋が、始まっちゃったりなんかしてな!」
そんな事を思いながら、僕はレポート用紙に手を伸ばしかけ、そこで手を止めた。
女の子に送るんだから、ちゃんと便せん買ってこよう……。せめて、百均のでいいから……。
そう思った僕は、便せんを買うために家を出た。
なんだか、古臭い事をするのが新しい感じがして、ドキドキするような楽しい事が待っているような、そんな予感がしていた……。

まずは便せんを買ってこよう。
それから、サイトにある彼女の手紙の全文を読んでみよう……。