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≪恋愛シミュレーション 一次審査応募フォーマット≫
このファイルに直接記入し保存した後、マイページ>提出>個別シナリオから提出してください。

【概要】
100文字以内。簡潔な表現で記入してください。簡潔に表現できない場合は設定やストーリーの流れに無理があったり複雑過ぎるなど問題を抱えている場合が多いです。見直してみましょう。

┏━━概要開始━━━━━━
 転校生は鬼で妹だった? 妖怪に家族を人質にとられた少年、そして人間を滅ぼそうとする鬼の少女との学園生活が始まる。
 妖怪が人間を認め、人間と妖怪が家族になる、騒がしくも愛らしい荒唐無稽のラブコメディ。

┗━━概要おわり━━━━━



【設定】

┏━━メインキャラ━━━━
[名前]
 アダト
仮:川口 絵里(かわぐち えり)

[性別]
 女

[年齢]
 13

[体サイズ・体格]
 小柄で痩せ型。つるぺた。

[髪型]
 赤い髪の一本結び(下側ポニテ)。

[顔つき]
 好戦的な表情。

[性格]
 自己中心的で明るい性格。

[職業]
 酒呑童子の末裔。妖怪・学生

[ユーザーキャラとの関係]
 居候というか一家乗っ取った妖怪。

[口調・セリフサンプル]

[その他]
 弱い



┣━━ユーザーキャラ━━━━
とくに設定のない項目は空欄で
[名前]
 川口直哉

[性別]
 男

[年齢]
 15

[誕生日]

[体格]
 ごく普通で標準的。

[髪型]

[顔つき]

[性格]
 正義感が強く、流されやすい。

[職業]
 学生

[メインキャラとの関係]

[口調・セリフサンプル]

[その他]



┣━━サブキャラ━━━━
とくに設定のない項目は空欄で。複数いる場合はコピーして追加
[名前]

[性別]

[年齢]

[誕生日]

[体格]

[髪型]

[顔つき]

[性格]

[職業]

[他キャラとの関係]

[口調・セリフサンプル]

[その他]


┣━━舞台設定・世界設定━━━━
 現代社会。
 妖怪が居る世界。ただ、その姿は公にされていない。
 妖怪は通常、山奥でひっそりしている。人の前に現われる事は滅多にない。
 妖怪たちは、小動物並みの力しか持たない。

┗━━設定おわり━━━━━


【プロローグ】
1000文字~3000文字程度。キャラ設定や概要を読まなくても容易に理解できる内容で書いてください。プロローグの出来不出来が審査結果に最も反映されます。

┏━━プロローグ開始━━━━━━
 家族が嫌いだ。
 だが、妹は別だった。そんな妹が数年ぶりに、登校してくる。
 その妹が、俺の二卵性の双子であっても、同い年でも、同じクラスでも、それは素直に喜ばしい事だった。
 シスコンと呼ばれても構わない。それぐらい俺は妹の登校を望んでいたし、学校に来たとあったなら、あれこれ世話をしてやらなければ、と楽しみにさえしていた。
 だが、今はその妹と登校する事は出来ない。
 俺は冬休みの間、親戚の家に居たのだ。
 そして昨日。親戚の家から学校に直接登校する為、担任に教科の確認をとった時、あの妹も登校してくるという話を初めて聞いた。
 何故、妹は俺に言ってくれなかったのか。不満に思ったものだが、よくよく考えてみれば登校するという事自体、自然な事だ。気構えてしまう事ではない。妹がやりづらくなるだけだろう。
 だから俺は実家に連絡する事無く、親戚の家から早朝電車を乗り継ぎ、そのまま登校する事にしたのだ。
 妹、絵里が登校する。その事実に、足取りが軽くなる。
 田舎らしい広大な敷地。同じく田舎らしい隙間風が入り放題の古びた校舎に入り、一月中旬の寒さも何とやら。俺はせかせか教室に向かっていた。
 その所為だろうか。急に飛び出してきた誰かに、ぶつかった。
「うごっ!?」
 それも、軽い接触ではない。というか、刺さった?
 一瞬、ぶつかってきたヤツの頭に何か変なものが見えたが、最近ではあんなアクセサリーが流行っているのだろうか?
 ともかく、痛い。すごく痛い。胸の痛みに思わず座り込む。
「どこ見て歩いてんのッ!? こういう時は、道をゆずるのがフツーでしょ!? ……まったく、これだから人間は」
 だが、死人に鞭を打つような、理不尽な罵声が叩きつけられた。
 顔をしかめつつ上げてみると、そこには痛みに涙を浮かべて睨みつけてくる少女が居た。あれだけの突進力で突っ込んできたのだ。彼女もまた、同じようにダメージを食らってるのだろう。
「だ……大丈夫か……?」
 多分、俺の方が大丈夫じゃないだろうが、精一杯の虚勢を張って問いかける。すると少女は、より強い視線を向けた。
「心配なんて要らないわ。ただ、覚えておきなさい! あたしは絶対、ぜぇ~ったい、お前を許さないからね!」
 凄いヤツに目を付けられたみたいだ。俺は呆れ果てて、そして当初の予定を思い出す。教室で妹が待ってるのだ。
 じゃあな、と一応謝罪の言葉を投げつけて、そのまま通り過ぎようとした時、手を掴まれた。
「道が判らないの。教えなさい」
「許さないとか言っておいてソレかよ。……ってか転校生かお前?」
「たしか、にのえー、とか言ってた気がするわ」
「マジか」
 えらいヤツが転校してきた。それも俺と同じ2−Aに。うんざりしつつ、俺はそいつを教室まで連れて行く為、階段を登っていく。
「そういやお前、名前は?」
「あたしは……えり、というらしいわ」
「へぇ。俺の妹と、同じ名前か。偶然ってあるもんだな。妹も、今日初登校でさ」
「すっごいどうでも良い」
「……そうですか」
 妹よ。登校してきたら、最初に教えてやろう。コイツには近づくな。仲良く云々の前に、コミュニケーションを取れる気がしない。
 さっきゴタゴタしていた所為か、教室にた着くと、とっくにHRは始まっていた。俺の姿を認めて担任が一瞬険しい顔をしたが、絵里――転校生の姿を見つけると、さすがに柔和な表情を作る。
「そうか直哉。えりを、連れてきてくれたんだな?」
 担任の言葉に、俺は頷く。
「まぁ、迷ってたんで」
「ん? 何だその態度。あまりにも冷たくないか?」
 そうだろうか? だが、彼の次の言葉で、俺は自分の決定的な間違いを思い知る。
「兄として、そういう態度はないだろ。直哉」
「はぁ? いや、コイツは絵里は絵里でも、違う絵里で――転校生ですよ?」
「何言ってんだ? 転校生なんて来る予定ないぞ。なら、当人に聞いてみるか? 変な話だが、あんまり顔、合わせないんだろ? 見分けが付かなくなってたるかもしれん。女は変わる、って言うしな」
 何だ。それは。
「キミの、名前は?」担任の問い。
 それらが示す、結論。そして俺の、川口直哉の隣に居る絵里は、澄ました顔で、決定的な言葉を口にした。
「川口絵里。話は通してる筈よ?」
 お前は、誰だ?

 空き教室。全く用途のない教室が、この学校には幾つも存在する。
 俺は、自称絵里の手を引いて、あの場を逃げて空き教室まで来た。
 言及の為に。
 真実を告げるには、あの場では混乱しか招かない。何故なら、本物の絵里の顔を知る人間は、あの場では俺一人しか居ないからだ。
 コイツが妹な筈が無いのだ。性格、顔、言葉遣い。何もかもが違いすぎる。
 だが、疑問。
 本物の絵里は、俺の妹の絵里は、どこに居る?
 俺は急いでケータイを取り出し、妹の携帯に繋ぐ。何かの手違いであって欲しい。だが、嫌な予感は止まらない。
 傍に居る自称絵里を放っておいて、祈る思いでケータイを耳に当てる。そしてコール音が鳴り、
 着信音が、聞こえた。
 音源は、自称絵里から。彼女は制服をまさぐると、取り出したのだ。
「何よこの箱?」
 妹の、ケータイを。
「お前は、誰だ?」
 恐怖に慄きながら、俺は口にする。「妹をどうした」とか。「何でこんな事を」などは出てこない。圧倒的な恐怖と疑念が、俺の心を押しつぶしていた。
「……なるほど。お前は気付いたのね。あたしが、偽者だって事に」
 絵里が。偽の絵里が笑う。
「フン、オジジの言う事もアテにならないわ。いきなりバレちゃったじゃない。でも、今なら間に合うわね。知っているのは、お前だけでしょう?」
 偽者が、俺に近づく。スカートから覗く肌の色が変わる。肌色から、毒々しいまでの赤に。
 赤の侵食は、脚だけに留まらない。制服から小さく覗く露出部分が、徐々に下から上へと、赤く染まっていく。
「神に最も近い鬼である、酒呑童子が直系。アダト。冥土の土産に、その名を胸に刻んでおきなさい」
 鬼――馬鹿馬鹿しい? いや、もう既に俺は知っていた筈だ。
 最初に頭が腹に当たった瞬間、感じたのは鈍痛ではない。尖ったものに当たった痛み。
 ツノ。あり得ないものを、あの時俺は見た筈だ。
「絵里を……どうした……?」
「あの娘? ふっ、知らなくて良いわ。あなたはここで」
 一瞬の間に、鬼の鋭い爪が俺の胸へ突きこまれ、
「死ぬのだから」
 肉が軋むような、嫌な音。
 目を見開く。声が出ない。それは、あまりにも異常な光景。
 鬼の指が、
 変な向きに、曲がっていた。
 どう見ても突き指だった。
「いたぁ――――っ!?」
 鬼が指を押さえて悲鳴を上げる。
 なんじゃらほい。どういう表情をすれば良いのか判らない。その隙に鬼はこちらに振り返り、
「と、みせかけて鬼キッーク! いたい!?」
「……何がしたいんだお前は」
 再び自滅。半泣きで、鬼は手と足を押さえてうずくまる。
「痛いよぉ……。すっごく痛いよぉ……」
 確かに痛い。色んな意味で。ちなみに彼女の攻撃力を例えると、小学校低学年0、5人分である。
「ふ、ふふ……見誤ったわ……。まさか、普通の人間だと思ったら、お前が実は妖怪だったなんてね……!」
「いやいや、普通の人間だから。両親共に、生粋の日本人だから」
 痛々しい沈黙が流れた。
「……ウソね。あたしには判るわ。妖気を感じるのよ。すっごいバリバリ。人間? ナニソレ? 食べられる?」
「現実逃避すんな」
「今のは! 今のは本気じゃなかったの! 実力の一割も出してないんだから!」
「なら、本気出してみろよ。本気」
「ふっ、人間風情がよく言ったわね……後悔しても遅いわよ……?」
 幽鬼のように、ゆらりと立ち上がる鬼。そして顔にべったり張り付いた、不気味な笑顔。
 何かあるのか。そう思い、反射的に身構えてしまった。その瞬間。
 鬼は、逃げた。
「へ……?」
「バーカバーカ! せいぜい、夜道に気をつけなさい!」
 鬼は悪態をつきながら、教室を出て廊下を走っていく。
 呆然として突っ立ってる俺だったが、成すべき事を思い出して我に返る。
「絵里……!」
 どんなに弱かろうとアホだろうと。奴が妖怪であり、そして絵里をどうこうした犯罪者なのは間違いない。
 逃げられたのは、むしろ好都合だ。このまま尾行して、手がかりを掴んでやる。俺は、鬼の後を追った。


 赤信号を無視して、車に轢かれかける事三回。走り疲れて、休む事五分。素で道に迷い、あたふたする事十分。
 三十分の大冒険の果てに鬼が辿りついたのは、俺の家だった。
 築五年。ローン十五年の安心安全設計。慎ましくも一生モンのマイホーム。そこに、鬼が入っていく。
 どういう経緯かは知らないが、俺が親戚の家に行っていた間に、妖怪の根城にされてるようだ。
「上等……!」
 俺は息巻いて我が家のドアノブを掴み、扉を開け放つ。
 見慣れた玄関。そして来客を迎えるように、玄関先には鬼が居た。
「よく来たわね。でも、残念。お前が付いて来た事なんて、とっくの昔にお見通しよ!」
「道に迷ってオロオロしてた時に、偶然見つけたんだろうが。途端に挙動不審になったから、そんな事だろうと思ったけどな」
「ま、負け惜しみを! 小豆洗い!」
「ほい来たアダト様ぁ! 人間め、成敗してくれる! うぉぉ、だが小豆をとぐ手が止まらないぃ!」
 我が家の玄関で、小豆をシャカシャカ洗う見知らぬオッサンが出てきた。殴っておいた。倒れた。
「小豆洗い!?」鬼、アダトが悲痛な叫びをあげた。
 そして、後ろから別の殺気。俺は振り向く。
「抜けない! 抜けない!」
 傘立てから、すね毛ボーボーの足が生えていた。中途半端に飛び出てたので、押し込んでやった。動かなくなった。
「から傘ぁ!?」アダトの叫び。
 さらに、カラカラと靴箱の上から気味の悪い音。
「テメー! ココをどこだと思っていやがる!?」
「俺んちだよ」
 靴箱の上に乗っかっていた、趣味の悪い頭蓋骨が喋り出す。叩き壊した。
「がしゃどくろぉー!?」アダトは叫ぶ。
 アダトは、恐慌に陥った表情で俺を見て、後ずさる。
「お前は、何者なの……!?」
「フツーの苦学生だ。それより次はお前だ、偽絵里!」
「ちょっと待ちなさい! 交換条件よ!」
「何だ?」
「お前が、あたしの子分になるのよ。人間ごときには過ぎる特権よ! どう!?」
「交換してねえし、する気もねえから却下ぁ!」
「いやぁ――ッ!?」
 俺はアダトの腕を押さえて組み敷く。どうやら、こいつがボスのようだ。なら、コイツをなんとかすれば良い。
「アダト様を放せぇ! このボケナスがぁー!」
 と、また違う声。弱い妖怪が、幾ら来ようと同じだろうに。そう思いながら、俺は顔を上げた。
 確かに、十匹ぐらい来てても何とかなったろう。だが、奴等は物凄い数で押し寄せてきた。
 ――百匹以上で。
「え、マジ?」
 一匹一匹は弱くとも、百匹以上集まれば話は別。どっから出てきたのかどこに居たのか、大量の妖怪がまるで獲物に群がる蟻のような勢いで俺に殺到する。もみくちゃにされながら、至る所を殴られ、蹴られ、締め上げられ、
 俺は、妖怪どもの下敷きになって、身動き一つ取れなくなった。
「これが妖怪の力よ! 人間風情が、恥を知りなさい恥を!」
 アダトが俺の真正面に立って、高笑いする。倒れた俺の視点だと、パンツ丸見えなのだが。恥を知るべきなのはどっちだろう。
「情けないなぁ。直哉」
 まるで他人事のような笑いに、目を向ける。そこには、パジャマ姿で愉快に笑う親父が居た。
「親父……! これは、どういう事だよ……!」
「占領されちゃった。テヘッ」
「キモいんだよ死ね親父! そんなんだから、母さんに逃げられるんだよ!」
 不運な被害者とは到底思えない態度に、状況も忘れてブチギレる。だが親父は笑い続け、
「いんやぁー。意外に、快適だと思うぞ父さんはぁ。代わりに会社行ってもらってるしぃ。勤勉なんだなぁ、妖怪さんは」
「死ね親父! 絵里は!?」
「ん、いつも通り家に引き篭もってる」
「何ぃ!? んじゃあ、登校するってのは!?」
「もちろんあたしのコト。人間って、不便なのね。コセキってものが無いと、ダメなんでしょ? だから、借りたのよ。ここの娘のを」
 偽絵里――アダトが言葉を挟む。俺は絶句する。
「借りた、って……!」
「都合が良かったのよ。家族以外に顔を知られてない娘。人間の調査には、うってつけじゃない?」
「何がしたいんだお前ら……」
 俺はアダトを睨みつける。アダトは余裕の笑みを俺に返した。
「山の暮らしは、もううんざりなの。あたし達が窮屈な思いをする必要なんて、全然ない。だから」
 その妖怪を束ねる、鬼。それが、宣言する。
「人間を、滅ぼすの」
 いやいや、絶対に無理だろ。
 このときの俺は、そう思っていた。

┗━━プロローグおわり━━━━━