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■ストーリータイトル■
僕とリュナの精霊召喚実習



■ストーリー概要■
物語の舞台となるのは魔法文明の支配する世界シーカティア。

あなたは魔法学院の教育実習生として、赴任することになります。専門科目は「精霊」を呼び出し使役する「召喚術」。教室での講義は勿論、実際に精霊を呼び出す実習も担当してもらいます。そしてそこで、一人の女子生徒と、授業評価を含めた学級日誌をやり取りすることになります。

彼女の名前はリュナ。

成績優秀で面倒見の良い学級委員長で、生き物が好きな一面を持っています。しかし、厳格な家庭で育てられ、常に「良い子」でいた彼女は、自分自身について自信を持てないでいます。

リュナは非常に真面目な生徒で、実習生のあなたが来ることも、召喚術の授業もとても楽しみにしているようです。もともと召喚術の並々ならぬ才能を持っているあなたのこと、誠実に対応すればきっと尊敬してもらえるはずですが、そうでなければ……? 家族のこと、将来の進路のこと、さまざまな悩みを抱えている彼女を、ぜひ、やさしく導いてあげましょう。



■プロローグ■
「今日から君たちのクラスを担当する、教育実習生を紹介します。君、こっちに来てあいさつして」

 ローブをだらしなく着崩し、もじゃもじゃ頭で年齢不詳の指導教官、ナカール先生に呼ばれ、僕は緊張する。教室内をちろりと見れば、たくさんの顔、顔、顔……あー頭の中白くなってきた。あいさつって、何を言えばいいんだっけ?

「初めまして……、あの、隣の大学院に通ってます。専門は召喚術です。こちらでは……、召喚史と、召喚理論、召喚実習を教えることになります。……。そうですね、召喚術という素晴らしい学問を、いっしょに勉強していきましょう! ……。あー、み、みんなとはあまり年が違わないですけど、えと……よろしく」

 眼鏡をかけた、クールな印象の男子生徒が手を挙げて発言する。
「先生! 名前を教えてくださ~い」
「……あ」

 クラス中が笑いに包まれる。
 ――苦手だ、こういう雰囲気。でも、こんなことでめげてちゃいけないな。立派に実習をやりとげるように頑張らなくちゃ。


 僕は魔法大学院の研究生。精霊を呼び出す召喚術、特に「生成召喚」という、ゼロから精霊を作り出す学科が専門だ(人の手で作るという意味からか、俗に『ようしょく』とよばれている)。将来は研究職を目指しているが、指導教授の勧めで、付属の高等学院へ教育実習にやってきた。

「君の情熱を、若い奴にも見せてやり給え」

 なーんて教授は言っていたけど、僕が先生に向いているとは思えないんだよな……。そもそも人の名前を覚えるのが不得手だし。でも、たしかに「召喚術」は一生を賭けるに値する分野だとは思っている。研究者が増えてくれるのは素晴らしいことだな。うんうん。



 ――そして放課後。僕の教育実習初日がなんとか終わりを迎えようとしていた。いろいろ失敗もあったけど、初めてなんだぞ、こんなもんじゃないか? と開き直ったところだ。さー帰って研究の続きをしよう、と、席を立ちあがった矢先。

「あの、先生、すみません、渡したいものがあります! ハンナ、ちょっと待ってて」

 教室に残っていた女子生徒に呼び止められた。一人は巻き毛の、髪を二つに分けた元気そうな少女。そして呼び止めた方は……そうだ、この子! 自己紹介でみんなが笑っていた時、一人眉をひそめていた生徒だ。そういえば、授業中もよく発言をしていたな……。

 ローブからすらりと伸びる手足は、はっとするほど白い。背はそれほど高くないけど、姿勢が良いから教室でも目立っていたっけ。こちらをまっすぐに見つめる大きな力強い瞳に、おもわず目をそらしそうになる。ローブの下の制服も、しっかりと一番上までホックをかけ、塵一つついてない。もしかして、かなり真面目な子なのかも。そして、彼女の手には一冊の……学級日誌?

「ナカール先生から、先生に渡すよう頼まれました」

……こうして、僕は彼女、リュナと学級日誌の交換をすることになる。